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クライミングジムマルのおすすめ課題を紹介!半年に一度のホールド替えで新しい課題にチャレンジ!

 2022/04/05 クライミング情報
この記事は約 11 分で読めます。 1,718 Views

3月になり、温かくなったかと思えば花粉症がやってきましたね。

花粉症に悩めるクライマーたちはインドアクライミングにシフトしていくことでしょう。私もその一人。最近のインドアクライミングはコーディネーション課題が流行りで外岩チックな課題が少ないイメージ。

そこでおすすめなのがクライミングマル。コーディネーション課題少な目で、しかも半年に一度のホールド替えが行われたばかり。登りごたえたっぷりです。

 

ホールド替えのお仕事

 

今回、自分が勤めるクライミングジムでホールド替えが行われるということでそのお手伝いをしてきました。

セッターやスタッフが汗水たらして課題を作る様をご紹介します。

 

下準備

 

ホールド替えを行う前にまずは下準備が必要です。それがホールド外しと洗いです。

壁に取り付けられているホールドをすべて外す作業は案外力仕事。大きなホールドやボテは重いので、壁の上部に取り付けられていると落とさないように気を遣わなければいけません。

しかも、マットの上に脚立を置いて、その上に乗って作業をしているわけで、足場はかなり不安定。

ついつい、「ここにこれを取り付けたやつは誰だ」と言いたくなるようなこともあります。

また、ホールドの洗いは案外繊細。

高圧洗浄機で洗うのですが、ポケットなどは洗いづらく、しかも洗浄機の水が跳ねて全身ずぶぬれになることも。

ノーシャドーなどの小さなホールドは水圧で飛んで行ってしまうこともあり、排水溝の中にポトリなんてことがないように気を遣います。

 

グレードと課題の本数の割り当て

 

前日までに下準備を終わらせておき、当日はセット作業が行われます。セッターさんが参加するのはここから。

どんなグレードの課題をどこの壁に、何本作るのか。割り振ってお願いするわけです。だいたい、8~10本がセッターさんにお願いする本数になります。

知り合いのセッターさんは一日に17本お願いされたことがあるそうで、「流石に、もうその本数だったら受けない」と言っていました。

 

ホールドのチョイス

 

セットの割り振りが行われたあとは、実際のセット作業に入ります。どんな壁にどのグレードの課題を作るかによって、ホールドのチョイスが変わってくるので、これはとても大事な作業。

例えば、130度などの強傾斜の壁に3級を作るならガバを多めに選びますが、スラブの3級ならスローパーなどの持ちにくいもの、踏みにくいものを選ぶわけです。

 

 

課題内容の検討

 

課題のセットは実際に壁にホールドをつけながら、課題を考えていきます。「壁につりつけてみたら、案外持てた」とか「思ったよりも持ち感が違ったから動きにくい」といったことがあるからです。

距離感もとても大事。持っているホールドがガバならある程度動けるので、次の一手を出しやすいですが、スローパーなどの腕を引いて動けないホールドの場合は距離を近くしたり、足をよくしたりするわけです。

 

赤い課題が初段↓↓ 黒い課題が4級↓↓

 

 

 

試登

 

課題をある程度作ったら、実際に登ってグレード通りかを確かめます。思ったよりも簡単だったとか、難しかったということはよくあります。想定の動きにならなかったとか、課題を壊せてしまったといったことも起こりえるので、とても大事な作業になります。

 

 

 

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ホールド替え後の壁

 

チーフセッターは波田悠貴

 

ワールドゲームズという国際大会で銀メダルを獲得し、今年LJCのセッターを務めた波田悠貴さんがチーフセッターを務めているのも特徴。

全ての課題を波田さんが試登を行い、マルのグレードになっているか、難しすぎたり、簡単すぎたりするところがないかをチェックしています。

 

 

3級以上の課題はかなり多いのですが、しっかりと試登できるのは実力があるから。さすがですね。

 

ゲストセッターさんたち

 

クライミングジムマルでは、ホールド替えの際にゲストセッターを呼ぶのが恒例になっています。今回は、木村伸介さんや遠藤由加さん、MAXさんこと柴田晃一さん、ヤンキーの愛称で親しまれている坂本裕樹さん、沢登で有名な大西良治さんを迎えてのホールド替えでした。

ヤンキーさんはフィジカルの要素が強く、MAXさんはスラブの繊細な足使いが特徴的で、木村さんや大西さんはポジションの作り方が大切な課題がありました。遠藤さんの課題は力では登らない女性らしい伸びやかな課題が魅力的。

 

マルのおすすめ課題

 

垂壁のおすすめ課題は黒の4級。

 

 

クライミングの基礎能力をしっかりと求められる課題で、内容がギュッと詰まっています。足の使い方や壁への入り方、保持力、手順など、この課題が登れるなら4級は卒業でしょう。

 

 

3B壁でのおすすめ課題はオレンジ色の初段。

 

 

クラシカルなカチ課題ですが、ポジションの作り方やホールドの握り方など、強さとうまさが求められます。特にボテについているカチは、普段ジムではやらない角度で握らされます。そこが外岩っぽい部分。しっかりとした保持力がないとなかなか難しい課題です。

 

130度でのおすすめ課題は黒の3級。

 

 

保持感はそこまで悪くないですが、その分動かされます。しっかりと足でホールドをとらえて推進力にしていかないと、なかなか難しいかもしれません。しかし、面白いです。

 

115度のおすすめ課題は黒の4級です。

 

 

黒の4級は優しめになると思いますが、右へ左へと体を動かされるし手順が面白かったです。

 

三角壁のおすすめはピンク色の1級の課題。

 

 

 

 

ルーフ内では足がキレないように体幹で抑えながら、進んでいきます。ルーフの抜け口が核心で、ダイナミックな動きとボディの強さが要求されます。なかなか悪い1級でしたが、登りごたえがありました。

 

多面壁でのおすすめはピンク色の1級。

 

 

上部で左にトラバースするところがあまり経験のない体勢にされるのと、足が抜けないかひやひやして緊張感がありました。ゴールマッチまで気が抜けません。

 

スラブのおすすめは青色の2級の課題。

 

 

スタートから大勢が悪いですが、そこは落ち着いて処理すれば問題ないでしょう。ブルーアンダーホールドに乗って立ち上がっていくところが核心で、足裏感覚を信頼できるかがとても重要。じりじりと上がっていくところにスラブらしさがあります。

まとめ

 

今回はマルのホールド替えと課題の内容、セット作業についてご紹介しました。同じグレードの課題でも少し難しめに調整したり、優しめに調整したりしてなかなか大変。自分の得意不得意をしっかりと自覚しておかないと、グレードが狂ってしまうこともあります。

マルに遊びに行ったときはその辺もチェックしながら登ってみてください。

 

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磯井 貴範

磯井 貴範

書店員の経験から今までに触れた映画や小説などは1000タイトル以上。
クライミングジムのインストラクターをしながらライターとして活動中。
レッドポイントは御前岩のパチンコゲーム(8b+/5.14a)

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